部屋から部屋へ
私たちの敬愛するいくつかの古い家では、部屋の独立性は、ある部屋から別の部屋へ移るときに、厚い壁にあけた低いドアをくぐることによって強調される。
戸口は一種の前室で、小さな低いミニルームである。
それはある居住空間から他の居住空間への通路のしるしである。
こうした暗示的な手法はもっとさまざまに利用できる。
たっぷり面積のある寝室から隣りの天井の低い浴室へ、あるいは広々としたリビングルームから居心地のよい書斎へ移るときに、それぞれの空間は違った活動が割りふられているという意識が強調される。
同じように、天井の低い前室やポルティコと、注文住宅の天井の高い階段ホールが巧みに並べられていれぽ、家に辿りついて、中に入ってゆくという行為も晴れがましいものになる。
変化に富んだ空間を追求していくのも、昔からの単純な形態に別れを告げるのも、ともに今では珍しいことではなくなってきたが、その理由は多々ある。